古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『転校生』トークショー

 大林宣彦監督『転校生 さよならあなた』新潟公開記念としてNAMARAの江口歩さんとトークショーをさせていただく事となりました。

9月22日土曜日 21時15分くらいから
(当日の上映を御覧になった人と前売り券をお持ちの人が対象です)
新潟万代シティ シネウインド

 それというのも、『転校生 オレのあそこがあいつのアレで』という変態マンガを描いたので、お声を掛けていただいたのですが、マンガを描くに当たっては直接にパクったり引用したりすると気まずいので、敢えてうろ覚えの記憶のみを頼りにしてました。今回こんな機会をいただいて、それこそDVDを見たりライナーを読んだり、山中恒先生の原作『おれがあいつであいつがおれで』をじっくり読んだりしております。こんな風に作品を立体的に鑑賞する事もなかったので、面白くて仕方がありません。

 大林監督が、『転校生』を作るに当たっての状況や事情などもいろいろあることが分かりました。撮影の直前にスポンサーに逃げられたりと本当に大変だったようです。まだ、『さよならあなた』の方は見てないので、一体どうなっているのか楽しみです。また、今20代くらいの人がほとんど『転校生』をテレビで見ていないという状況を知り、あんなにテレビでがんがん掛かっていたのは随分前の事だったようでした。また『転校生』か〜なんつって何度も見ているはずなのに見始めるとのめりこんで見終わって感動して、ああ面白かった〜なんていうのが『転校生』だったじゃないですか、オレの同世代くらいの人はね。そんな事も一体どうした事なのか考察してみたいです。

 いい機会なので旧『転校生』の前後に当たる作品でまだ見たことなくて、以前から気になっていたものをチェックしておこうと思い、『廃市』、『HOUSE』(劇場第一作)、『はるかノスタルジイ』(原作が山中先生)、『彼のオートバイ、彼女の島』などレンタルして来ました。

 実際問題、オレのマンガの『転校生』は山中恒先生には小学館から許諾をいただき、面白がっていただけたという話を聞いているのですが、大林監督の方には無断で行ってしまった事もあり、変態マンガであるせいも大いに原因だと思うのですが、あんまり快く思っていないとの評判も頂戴しております。なので、こんなオレなんかがトークショーを行うのは絶対に大林監督には極秘の方向で進めたいと思っております。ちょっと前にアクションで掲載していただいた『時をかける男』でもやらかしてますし、いずれ時が来たら『さびしんぼう』も行っておきたい。大林作品、特に尾道三部作についてはそれこそ何度も見ては感動し敬愛を申し上げ敬意を持ってパロディをやっているつもりなのにもかかわらず、その結果冒涜と受け取られかねない結果しか残せておりません。オレの性根が腐っているからどうしようもなく、まったく申し訳ありません。オレの本質とは全く関係なく、言うまでもなく大林監督は偉大であり、作品は最高この上ないと言う事を断言しておきます。

 そんなオレですが、心の応援団として大林監督作品のDVDが売れるようにここで紹介すると共に、土曜日のトークショーはお客さんが一人でも多くいらしてくださるように頑張ります!

★暫定順位 大林監督作品ベスト10★
1位 『転校生』
2位 『さびしんぼう』
3位 『時をかける少女
4位 『異人たちとの夏
5位 『野ゆき山ゆき海べゆき』
6位 『理由』
7位 『青春デンデケデケデケ
8位 『北京的西瓜』
9位 『あした』
10位『ふたり』

 高校生大学生くらいに見た作品は印象が強烈なので、上に来てしまいますね。