古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

新潟でサブカルイベントを打つということ

 昨日は、『転校生』トークショーに多数ご来場いただき誠にありがとうございました。30人くらいの集客で、このブログでご来場いただいた方も何人かいらっしゃるようでした。本当にありがとうございました。シネウインドスタッフの皆さんがチラシを刷って配って下さったり、オレも『NEXT!』で宣伝させていただいたり、また新潟日報の朝刊にも告知していただきました。オレが普通にどこか書店でサイン会をやると5人が相場ですので、大健闘、一緒に出てくださった江口歩さんのお陰じゃないかと思ったわけです。

 それで、話の内容はオレの読者さん以外の人がほとんどだろうから、メインは大林監督がこれまで脱がせてきた女優についての解説にしました。ここ数日研究に研究を重ねておりました。これなら誰が聞いても面白いだろうと思っていたのですが、真正面に家族連れのお客さん、お父さんお母さん、お姉さん、高校生くらいの妹さんが座っていたので非常に気まずかったのですが、他に武器もないですので迷わずやらせていただきました。本当に申し訳ない……。

 江口さんの持ちネタである、中学高校時代の女子の着替えを覗いた話が抜群に面白く、本当に素晴らしかったです。ご馳走様でした。それからシネウインドの皆さん、スタッフの皆さん本当にありがとうございました。

 果たして受けたのかどうなのかさっぱり分かりませんし、時間配分も途中からえらく長く喋ったような、1時間くらい経っちゃってみんな退屈してるんじゃないかという気がしてもう切り上げなくちゃと思ったら30分くらいだったりと、何かと準備不足な感はありましたが、言いたかったことは全部言えたので自分なりに満足しました。

 新『転校生』に比べると旧『転校生』は、冒頭から女子更衣室のに忍び込むところから始まり、大林監督一流のエロギャグが満載で、小林聡美さんは『七人の侍』の三船敏郎ばりの躍動感と迫力の演技で、デブの男子を蹴り倒してパンツを脱がせて更にその尻を蹴るというバイオレンスぶり、エロとバイオレンスと笑いと感動が詰まった本当に面白い映画でした。新しい方はなんだか悲しい話になってしまい、これはこれで面白い部分はたくさんあるのですが、ちょっとガッカリでした。登場人物が急に歌いだすという場面もちょっと変でした。

 それはそれとして、打ち上げでお酒をしたたかに飲んだ江口さんが、今日のイベントの客入りについてもっと頑張らなければダメだと叱咤激励されてました。オレは、新潟では大抵何をやってもこのくらいが普通でひどく少なかったわけではないから上出来で、ああよかったくらいに思っていたのですが、江口さんはそこはプロの目で見てますので、もっと新潟でこういったイベントを盛り上げたいという希望もあっての事だったと思います。音楽でも、上映会でも、そんなに人が入ってうはうはだったなんてイベントは滅多にないです。ちょっと前にSUNN O)))という外人のすごい音楽をする人たちがLOTSに来た時も、外人なのにけっこうスカスカでした。気の毒な事に大赤字じゃないでしょうか。シネウインドの人も運営は大体ボランティアの人がやっているので、人を呼んでもお金がもらえるわけじゃないです。アングラ音楽イベントを手がけるアンチミュージックの皆さんも儲けようとしてイベントを打ってはいないようです。

 ふきだまりクラブファイトという、格闘技イベントは札止め満員で試合も面白かったです。そういうのもありますが、新潟でサブカルのイベントをする人は、ちょっと損してもいいという気持ちでやっている人がほとんどじゃないでしょうか。こんな状況ではそのうち新潟でサブカル的なイベントはなくなってしまうかもしれないので、どうにかしないといけないんですが、どうしたらいいかさっぱり分かりません。江口さんにそんな話を聞くまではこんな感じで仕方がないと思ってました。

 そもそも映画が好きなんて人やサブカル音楽に親しむ人は友達が非常に少ないです。その孤独を埋め合わせるために趣味に興じるわけじゃないですか。そこからして集客の困難さがあると思います。ホストみたいな人たちがイベントすればきっと集まるんじゃないかと思いました。オレはガリガリに頑張ってお客さんを呼ぶ事にはいくらか抵抗があります。あんまり呼べる気もしないですし、ぎゅうぎゅうにお客さんが来ても緊張しますしね。オレが熱心にイベントに駆けつける方ではないので、一所懸命呼ぶ事に対して腰が引けているのかもしれないです。頼んだ以上頼まれたら応えないといけないですもんね。