古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

今年の自主映画

 今年は連載があったので自主映画にあんまり時間を割く事ができなかったですが、今年も受講したにいがた映画塾初心者講座の課題や何かでほんの2分くらいのを何本か作成しました。初心者講座の卒業制作では吉原悠博さんの作品の脚本でお手伝いしました。これも4分くらいの非常にささやかな作品なのですが、何しろ撮影のプロですし、ハイビジョンというかつてない劇場映画レベルの作品となりました。『めまい』という作品です。

 その『めまい』が今週、にいがたインディーズムービーフェスティバルで上映されます。めまいは朝10時30分からのブロックの最初の作品となります。

にいがたインディーズムービーフェスティバル
11月16日(日)10時30分〜21時
前売り1000円(当日1200円)
会場:市民映画館シネウィンド

 このイベントでは山形の佐藤広一監督の『透視せよ!タケオ』も上映されます。これはオレのマンガの『新しい絶望』をベースに映画化してくださったものです。先日行われた、うえだ城下町映画祭第六回自主制作映画コンテストで大林千茱萸賞を受賞という素晴らしい評価を獲得しております。本当のいい作品なのでぜひ皆さんに御覧いただきたい! こちらは最後のブロックで大体20時30分くらいからの上映です。オレが関わった作品が冒頭と結末にやるとは、なんだかオセロで勝ったみたいな気分になりますね。

 メールでご連絡いただきましたら、チケットご用意いたします。前売り料金でご入場いただけます!

・うえだ城下町映画祭

 佐藤監督が受賞した大林千茱萸賞は大林宣彦監督の娘さんの賞で、オレはほら、『転校生 オレのあそこがあいつのアレで』でちょっと気まずい立場じゃないですか。もし原作がオレだとばれたら、「あいつかー!」なんてね、受賞が取り消しになるんじゃないかとこれまで隠していました。無事授賞式も済んだということでこうして晴れて発表させていただきます! 本当に素晴らしい、佐藤監督おめでとうございます!!

 オレも自主映画にかかわり出して今年で6年になるんですよ。軽くコンテストで賞なんかとっちゃって、商売の幅でも広げちゃおうかなと簡単に考えていたのですが、全く通用しませんでした。ここまで数本の短編作品を制作しましたが、見返すのも気まずいくらい非常につたない作品で、上映会をするたびに軽くショックを受けます。演出も映像も音声も全部やっつけみたいな仕事で、非常によろしくないです。何が分かったかというと、本人的にはパンクでかっこいいと思っていたのですが、映像ではそういう姿勢では通用しない事がよく分かりました。丁寧でないと本当に見れたものにならないです。

 それで、来年は誰か撮影が上手な人にお願いするくらいの気持ちで、じっくり演出とかも頑張ってこれまでの集大成とも言えるくらいの30分くらいの作品に取り組んでみたいなと考えております。機材もいろいろ買ってしまったし、このままでは引き下がれない!

 それに先立って、来年1月からにいがた映画塾で実習コースと言うのをやらせていただく事になりました。今年の初心者講座では座学が多くて実習があまりなかったのが、オレはすごくつまらなかったんですよ。しかし、人様が運営して下さっている講座に対してオレがやいのやいの言ってもどうしようもないわけです。文句があるなら自分でやれと、そういった精神でやらせていただく事になりました。

 先日、この実習コースでやろうとしている方式がうまく機能するのか検証する目的にプレ講座を実験的に開催してみました。企画、撮影、合評会と3日間に分けて、3人が3作品製作しました。すると、これがかなりの手ごたえと、何よりかなりな力作、充実作が完成したわけです。これまで映画塾であれこれ作品に関わってはいたけど自分で作った事のない人の初めての作品もとても面白いものになりました。不備な点はまだまだあり、非常に荒削りな仕上がりでしたが、もうちょっと編集で頑張ったり音声を処理したりするだけで格段によくなりそうです。

 実習コースでは企画と合評でディスカッションを徹底して、発想の選択肢を増やすという作業に重点を置きます。自分の意見が採用してもらえると嬉しいですし、前向きな話していると元気が出ます。ディスカッションの前半20分はダメだしをしません。

 初心者でも全然OKです。興味のある方はぜひともご参加いただきたいです。募集はこれからなので、また正式に決まったらご報告いたします!