古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

池袋マンガ教室第9期生徒募集

 いよいよ池袋マンガ教室が5年目となります。発想の練習とネームの構成を中心とした初心者向けのマンガ教室なのですが、発想に初心者も熟練も違いはないせいか、時々プロの人も受講してくださっております。でも基本は初心者で、全く漫画なんか描いたことがない人向けの教室です。四コマ漫画やショートコミック、エッセイ漫画などのネームを作成します。絵の指導はありません。持ち物は鉛筆かシャープ、消しゴムだけです。今週末10月4日より始まります。

 

 以前は非常に繁盛していて月2回の往復の交通費と中野のアパートの家賃をペイしても余るくらいの収益をあげていたのですが、最近ではずっと交通費にも足りないくらいの赤字運営です。それでなぜ続けているのかというと、運営しているこっちも大変勉強になり、大いに刺激を受けているからです。この教室がなかったら『悪魔を憐れむ唄』の連載もなかったかもしれないし、エッセイ漫画の描き方を開発することもなかったです。

cul.7cn.co.jp

 ここ最近は多くて10人くらいで、少ない回は3人なんてこともありました。大体5人前後です。5~6人がディスカッションで班分けせずに済み一番やりやすいです。それだと赤字ですが! 10人くらいいたとしても班分けせずにたっぷりディスカッションした方がいいかなと最近は考えております。ディスカッションというのがこの教室の肝で、いろいろな人の考えや意見を聞いて、そこから漫画にどう活かすのかアイディアをチョイスして発想の練習となります。でも話をするのが苦手な人はいますので、向き不向きはあります。僕はこれがすごく好きなんです。そして以前は宿題だったのをその後15分くらいで四コマ漫画を大急ぎで描くのがまたすごくいいです。生徒の皆さんもオレも必死こいてやります。締切があるとコマを埋められる事が実感できます。

 

 ともすると四コマ漫画一本考えるのに一日掛けてしまうこともザラにあるのが漫画です。良くても悪くても15分で描いてしまうえば、後でやっぱりこうした方がいいかなと直すのは、最初に0から1に持って行くよりずっと楽です。

 

 毎回授業中の課題で2本、宿題で2本やっていただいて、やりたかったら何本でもやっていただいていいのですが、そういうわけで半年の教室でかなりの本数のネームがたまります。先日卒業生の人と自費本の打ち合わせで課題のネームを見せてもらったらすごいボリュームとなっていました。ともすればマンガ専門学校に2年通った人より多いのではないかと自負しております。

 

 僕は漫画はネームができれば8割完成と考えていて、でも世の漫画の学校でネームをみっちり教えるところはあまりないのではないでしょうか。僕もみっちりは教えないのですが、習うより慣れろでガンガン課題をやった方がいいと思います。自分で掴まないとどうにもならないです。数をこなして慣れて自分のものにするしかありません。

 

 これまで第2・4日曜日でしたが、第1・3・5日曜日に変更となります。年末年始など変則開催もあります。時間は15:30からです。会場は池袋コミュニティカレッジ。

 

 冒頭に絵の指導はないと記載しましたが、あまりに絵心がない人には基本的な人物の描き方などお教えしますよ。エッセイ漫画の超絶に簡単な描き方もやります。 

秘伝エッセイ漫画超絶簡単技法 (池袋マンガ教室スペシャル)

秘伝エッセイ漫画超絶簡単技法 (池袋マンガ教室スペシャル)

 

 

※今回は申し込みが少なくて中止となりました!(10月3日)

 

カナザワ映画祭2015

 カナザワ映画祭には開催日程の内、2泊3日くらいで都合に合う映画を見ていたのだけど、今年は5連休で北陸新幹線開通でホテルが高騰し、3泊しようと思っていたら4連泊の方が安いプランがあったため思い切って4泊5日で臨んでみました。4連泊のプランは清掃が一日おきで、それでも1泊7千円もした。例年は3300円で宿泊していたので目玉が飛び出そうだった。しかも会場である都ホテルからは2キロくらいの距離の片町という繁華街で、用がないのに繁華街にいるのもしんどかったです。直前になると安い宿もあったそうなので、来年はもし高かったら予約せずに行きたいと思いました。それか高かったら都ホテルで2泊にするとか、もうちょっとやりようはあったな~。4泊は長くて途中で帰りたくなりました。

 

 見た映画の感想は映画.comやフィルマークスに書いたのですが、ここではそこでの扱いがない映画について記録をしておこうと思います。2日目9月20日に上映された最新のアジア映画が素晴らしい作品でどっちも日本公開の予定がなく、これぞカナザワ映画祭ならではであると非常に貴重な機会でした。カナザワ映画祭に初めて行った時に見た映画が『It is fine,everything is fine』という車椅子の身障者で非モテのおじさんが連続殺人鬼になってしまうというとんでもない映画で、しかもファンタジックで感動的な結末で度肝を抜く傑作でした。それが監督のクリスピン・グローヴァーが自分立会いの下でご自身のスライドショーとセットじゃないと上映しないという方針であるためか、それ以降日本で上映されたという話を聞きません。何の気なしに見たんだけど、見ておいて本当によかった。もう一回見たい。ブルーレイ欲しい。

 

 今回のアジア映画は、そのような厄介な条件がないので、そのうちシネマカリテやヒューマントラストシネマといった熱心な映画館で上映されるんじゃないでしょうか。

 

○『無人区』(中国映画)

 橋下徹大阪市長の弁護士時代みたいな、若手弁護士が主人公。この人は勝てばなんでもありみたいな冷徹な人物で、ハヤブサ密漁をしている兄弟の弁護を引き受ける。裁判に勝ったけど報酬が払えないため、代わりに車を担保に都会に帰ろうとしていると、その道中トラックの運転手といざこざがあり、途中に立ち寄ったドライブインでぼられたり、密漁の兄弟が追いかけて来たりと、そのみんながみんなで争い合うような展開となる。弁護士がとにかく負けん気が強くてトラブルを招くのだが、全員が全員負けん気が強く、キャラクターとして性格の描きわけがあまりできていないのではないかと思う。おそらく脚本家か監督がそんな負けん気の強い性格なのだろう。

 最初見た時は、ごちゃごちゃしすぎてお腹いっぱいだな~と、面白かったけどそれほど傑作であるとは思わなかった。しかし後から反芻しているとやっぱり凄かったぞと改めて思いました。カーアクションも素晴らしかったし、殺し合いも生々しくてよかった。特にドライブインの一家の生活感がすごくて、何もないし警察が滅多に来ないことをいいことに好き放題やっている。ちょっとした帝国を築いているような、メンバーは家族だけだけで、貧しくとも誰が来ても恫喝してぼったくってやればいいと思っているような感覚が完全に自由でいいじゃないですか。最高だなと思いました。

 あと、銃もどんな仕組みかよく分からなかったけどかっこよかった。劇場公開されたらまた見に行こうと思います。中国映画は去年からちょっとずつ見ていて『罪の手ざわり』『薄氷の殺人』かっこよくて面白い作品ばかり。『無人区』もそうなんだけど、心にべっとり貼りつくような何か印象深いものがある。

 

○『印度国道10号線』(インド映画)

 インド映画の楽しければなんでもありみたいな、時にリアリティを度外視するトーンが好きじゃなくて、この映画はスルーする予定だったのですが、カセット館の後藤さんがすごく推していたので見ました。すると、すごく面白かったです。完全にリアリズムで描いていて好きなトーンでした。

 都会の大会社で働くエリートサラリーマンの夫婦が、奥さんの実家に里帰りする途中のドライブインでカップルが拉致される現場を目撃する。後を追いかけて行くと、殺人現場を目撃してしまい、夫婦が殺人集団に追いかけられてしまう。奥さんが助けを求めて警察に行ったり、村長の自宅に駆け込んだりすると思わず田舎の闇に触れることになる。

 構成が見事で最後までどうなるの?どうなるの!とハラハラし通しでした。映像がくっくりはっきりしていて、見やすいのはよかったんだけど、奥さんがどことなく松坂慶子みたいな雰囲気があって映像の雰囲気も含めて火曜サスペンス劇場みたいな感じがありました。

 

 

 今年は映画17本、トークショー2本見て、完全に寝てしまった映画4本、ウトウトした映画5本という残念な側面もありました。以前に見ていたり、あまり好きじゃなくて、見なくてもよかった映画が2本あった。せっかくスクリーンだからとか爆音上映だからと言って無理矢理見るのではなく、冷静にチョイスして見るべきであると思いました。

 

 映画祭のサポーターに申し込んでいたら、パンフレットで入会順で3番目に名前が掲載されていて嬉しかったです。来年は1番を目指します! ちなみにスペックスさんが5番、カセット館後藤さんが7番です。サポーターになると入場の列に並ばずに済んで、席を取ってからゆっくりと1階のサンクスに買い物に行くことができます。上映までの時間でサポーター用の椅子で弁当を食べるというのが食事の大半でした。上映時間前に弁当をかっこんでいる男がいたと思いますが、それがオレです。

 

 今年もカセット館の後藤さんとラジオを録ったので、そのうち三平映画館特別編で配信しますね! 来年も楽しみです。

 

 

映画の感想が1000本を超えた

 映画.comで映画の感想を記録していたのが1000本を超えました。今現在1004本です。元々はgoo映画だったのが終わってしまって引き継げるところはそのまま映画.comに移行して、それが何本だったのか忘れてしまったんだけど、2011年の10月くらいから、約4年で1000本となりました。引き継げずに消えてしまった映画の感想も何本かありました。

eiga.com

全部ネタバレです。

 

 ネタバレの定義が、人それぞれで、結末さえ言わなければネタバレじゃないという人もいます。オレはできれば何の映画なのかすら知らずに見に行くのがベストだと考えていますので、全部ネタバレ設定にしています。明確にオチに触れている感想もあるので、ネタバレだと思ってください。ただ、goo映画から移行した感想はネタバレ設定になっておらず、星の数も多めになっています。2013年の3月以前がgoo映画からの移行分です。元々はonTVというページで見た映画の星だけを記録していました。それは記憶に残っている映画も含めていて、2000本くらいあったような気がするんだけどサービスが終わってしまって、goo映画で記録を残すことにして、そこからはその時に見た映画だけを扱うことにしました。

 

 東京で借りているアパートでテレビ東京午後のロードショーを録画して見たのもたくさんあります。2回目とか、そんなに興味がないけど一応見ておきたいと言った映画には本当にいいですね。2時間枠だけど、CMが3分くらいのがたくさんあるので、正味80分ではないかと思っています。特にジャッキーの映画は苦手なギャグの場面をバッサリ行ってくれているようでとても楽しく見れます。まさに神編集です。最近見たのでは『激流』という94年のメリル・ストリープケビン・ベーコンが川下りする映画がすごく面白かったです。放送されたのは大分前ですが、一昨日くらいに見ました。

 

 映画館、WOWOW午後のロードショーで見ています。映画館は月に8~10本くらいで、できれば一日1本見たいんだけど、平均年250本でした。

 

 1000本見ればかなり見たと言えると思うのですが、例えば『絶望シネマ88』という本で紹介されている映画のうち見てないのが38本ありました。全然足りてないんじゃないか、もしくは偏った見方をしているのではないか、けっこう手当たり次第に見ているつもりなのですが、本当に切りがないです。『炎628』もカナザワ映画祭で見る機会があったのに見逃してしまった。

 

 『絶望シネマ88』ではオレもニコラス・ケイジ主演の『リービング・ラスベガス』という大好きな面白い映画を紹介させていただいております!

 

 また、絶望シネマの特集上映がテアトル新宿で先週開催されていて、オレは最終日にしかいけなかったのですが、1000本目は『TATOO(刺青)あり』でした。その日の上映3本『TATOO(刺青)あり』『ときめきに死す』『男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋』を見ました。『ときめきに死す』はテレビ放映を録画したのを何回も見ていて、スクリーンで見れるのが本当にうれしかったんだけど、登場人物がボソボソ話すし、ダウナーな展開でメガシャキを飲んでいたのに寝てしまいました。

 

 3本のうち始めてみたのが男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋』で、寅さんをこれまできちんと見ていなかったことが悔やまれると同時に、気づくのがこれ以上遅くならなくてよかったと思えるほど、寅さんの魅力が凄まじかったです。高橋洋二さんと立川志らくさんの解説も素晴らしくて、1作目かもしくはテレビドラマシリーズからきちんと見てみようと思いました。1000本の節目に『男はつらいよ』シリーズに着目できたことがなんとも運命みたいな気がします。

 

 これまではつまらなそうでも手当たり次第に頑張って最後まで見ていたんだけど、これからはきちんと選んで見ようと思います。映画の紹介本に乗っているような映画もちゃんと見ておきたいです。

 

 映画.comで扱っていない映画はフィルマークスで書いてます。フィルマークスで書いたのが後に映画.comでも扱いが始まることがありますがそのままにしています。こちらは現在19本で、スティーブ・オースティンの映画が見たのは全部面白かったです。

filmarks.com

中之口先人館 古泉智浩作品展

 新潟市西蒲区にある中之口先人館で作品展が本日、8月4日から23日まで開催しております! 入場無料です。

 

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 ただ、会場の最寄り駅が燕三条駅でそこから10キロとけっこうな距離で、バスもあるけどそんなに本数が走ってないとのことです。車以外はちょっと不便です。

Google マップ

 ドライブで新潟にお越しの人か、新潟に在住で車移動の皆さん、お時間ありましたらぜひ足をお運びください! 近くにはフルーツ園みたいな施設があって楽しいですよ。

 

・『ジンバルロック』原画

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第5・8・9話の原画です。

 

・アクリル絵画

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・Tシャツ

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12点くらいあります。

 

・漫画の製作工程

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・ささやか映画上映

 

 といった5項目の展示で、けっこうなボリュームとなっております。あいさつの文章を書いたので、ぜひお読みください!

 

はじめに

 本日はご来場いただきありがとうございます。漫画家の古泉智浩です。新潟市江南区在 住で活動しています。今回の作品展は、自主映画は東京や大阪で撮影した作品も含まれて いますが江南区、旧亀田町で作られたものが大半です。

 漫画家のデビューは23歳で、今46歳なので人生の半分を漫画家として過ごしてきま した。と言っても、漫画専業になったのは2006年でそれ以前は他の仕事をしながら漫画 を描いていました。20代は東京で、ちょうど先人館のような施設で仕事しながら描いて いました。30歳、1999年に新潟に戻りました。それからずっと新潟で活動しています。 自主映画は2003年から始めたのですが、2006年より『ささやか映画』活動も開始して います。そう思うと2006年は節目の年でした。専業漫画家は10年目です。

 2003年より漫画原稿はデジタル化しており、原画が完成形で存在しません。紙原稿は 中途半端な線画までで完成形はデータでしかなく、展示には不向きです。今回は2000年 の単行本デビュー作『ジンバルロック』の5話8話9話の原画をお読みいただける形で展 示します。

 2003年以降のデジタル原稿は展示に不向きなのですが、代わりにデジタル漫画データ の工程をご覧いただけるように展示します。ネーム、線画、データの刷り出しの3工程を 『わいわい★パーティ』というショートコミックでご覧いただきます。8ページの連載な のですが、この回は前編、中編、後編に分かれたうちの中編です。一番見せ場が派手なの でこれにしました。

 Tシャツのイラストを手掛けています。一番最初は古町にあったジャブローというお店 で、プロレスラー田上明選手のTシャツで試作品を作っていただきました。製品にはなり ませんでした。その後、ゴーイング・ステディというバンドのTシャツ、解散した後に リーダーの峯田和伸さんが結成した銀杏BOYZでもやらせていただきました。気志團と神 聖かまってちゃんのコラボTシャツ、先日結婚、ご出産を発表されたアイドルの小明さん、 新潟のご当地アイドルRYUTist、新潟のプロレスラーであるスーパー・ササダンゴ・マ シーン選手、勝手に観光地のお土産用、浅草Tシャツなどなど、他にもまだまだいろいろ あります。1枚しかないのに着古してしまったものや、描いたのに手元にいただけなかっ たものもあります。いつか全てのTシャツを展示してみたいです。

 『ささやか映画』としてショートムービーを47本上映します。47本と言っても2時間 15分くらいです。なにしろ短いのでは2分足らずで、長いので10分くらいです。『ささ やか映画』は基本5分以内が規定です。中には出来のよくないものもありますが、すぐ終 わるので安心してご覧ください。この活動も2006年からで今年で10年目です。

 アクリル画が7点あります。大学生の時に美術サークルに所属し、油絵を描いていまし た。その時に修練した絵画の技法が僕の絵柄の元となっています。タッチが雑なのでそう は見えないかもしれませんが、僕の絵柄はリアリズムが基調です。漫画なら省略した方が 見栄えがする鼻の穴や、目を線で閉じる描き方はそのためです。しかしリアリズムと言っ ても、あくまで僕の基準でのリアリズムなので、現実と照らし合わせたリアリズムではな いかもしれません。

 漫画専業となって10年目でこのような作品展を開催させていただき感無量です。活動 は人生の半分を迎えて、現在も継続中です。お楽しみいただければ幸いです。

秘伝 エッセイ漫画超絶簡単技法

 僕はもともとエッセイ漫画は特に描きたいと思ったことがなく、普通のフィクションの漫画でさえ描くのが面倒なのに、文章で伝えれば済むような事をわざわざ漫画で描きたくないと考えていました。そんなエッセイ漫画に食指が動かない人でも気軽にエッセイ漫画を描くにはどうしたらいいのだろうと考えて編み出したのがこの技法です。すると結果的に誰でも簡単にエッセイ漫画を描ける方式になりました。この古泉式エッセイ漫画術を、池袋マンガ教室の生徒のみに後悔していた秘伝を公開します。秘伝というのは大げさですが、簡単に言ってしまえば1行の文章で済むようなことなので、敢えて秘伝と言わせていただいております。もったいぶってないでこのブログで書けばいいではないかと自分でも思います。しかし、お金をもらって商売しており、漫画がさっぱり売れない苦しい現実もあるわけです。そこで電子書籍で販売してお伝えするという、非常にもったいつけて申し訳ありません!

 

  解説漫画を30ページくらいで描こうと思ったら内容がシンプルすぎるせいで14ページで終わってしまいました。お時間のない人は10ページ目くらいにある、「エッセイ漫画描き方のまとめ」をご覧いただけばそれで済んでしまいます。その分この技法をマンガ教室で身に着けた弟子の宮川さとしくんとの対談が大変充実しております。宮川くんはこの技法で『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った』という涙無くしては読めない傑作を描きました。宮川くんは熱心なので、オレの技法を遥かに高い次元に発展させてエッセイ漫画表現をしております。とても分かりやすく役に立つ技法を宮川くんが語ってくださっております。

 

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。

 

  

 250円と言う価格設定は、本当は200円にしたかったのですが、アマゾンのロイヤリティの高い方の最低価格です。わずか30ページ程度の本なのに申し訳ありません! ただ、「エッセイ漫画を描きたい、でもどう描いたものか今一つ分からない」「もっと気軽にエッセイ漫画に取り組んでみたい」と足踏みしているような人には絶対にお役に立てると自信を持っております。これまで全く漫画を描いたことがなくてマンガ教室にいらした人でエッセイ漫画を描けずに帰った人は一人もいません。

 

 設定をオレがしたのか、いろいろやっているうちにそうなったのか、0円でオレにお金が入るのか良く分からないのですが、アマゾンのプライム会員なら0円でお読みいただけますよ。ぜひお読みください!

 

 オレが本当に危惧しているのは売れているプロ漫画家がこの技法で楽にエッセイ漫画を描いてさらに売れて、手広く商売するようになってますますオレの立場が漫画業界でなくなるんじゃないかということです。でもエッセイ漫画で商売してないので関係ないと言えば関係ないんですけどね。もしそんな人がいらしたら「古泉式のお陰で楽にエッセイ漫画が描けた」と一言添えていただけると非常にありがたいです!

ゴンズイに噛まれた②

(前回の続きです)

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このゴンズイに噛まれた(ような気がした)

 

 妻を待っている間もずっと洗面所でお湯に手をつけていた、お湯がもったいないし、ガス料金も掛かる。風呂場から手桶を持ってきてそこにお湯をためてお湯がぬるくなったら交換することにした。1時間くらいつけていたせいか、痛みは元の指先にもどっていて弱まったような気はするけどまだまだ痛い。切ったりぶつけたりして怪我をした場合でも、動かしたり触ったりしなければ痛みは治まることが多い。しかし毒は、何もしないでじっとしていてもずっと痛いままだ。ペンチでずっとつぶされ続けているような痛みだった。コブラに噛まれた人の気持ちがなんとなく少しわかった。こんな恐ろしいことがあるとは、海は恐ろしい。自然も魚も恐ろしい。

 

 妻が戻って旅の宿草津の湯の粉末を傷にこすりつけて、手桶に溶かした。すると痛みが嘘のようにすーっと消えた……なんて事にはならず、ちょっと痛みが弱くなったような感じだった。旅の宿セットの中に草津の湯は2袋で、他の温泉もいろいろ入って箱詰めされていた。もう一つの草津の湯を、お風呂にお湯を張ってそこに溶かした。草津の湯の入浴も効くとあったのだ。普段はスズメの行水程度の入浴しかしないのだが、今回ばかりはじっくりと熱い湯に長々と入った。入っている間痛みは消えたような気がした。

 

 治ったか!毒をとうとうやっつけたか?と思い、普段使わない入浴剤を入れた風呂に長々と入ったせいで、全身が熱くほてり、汗が吹き出て止まらない。ちょっとくらい痛くなってもいいや、とにかくずっと洗面所で座っていて疲れたので部屋に戻ってベッドにバスタオルを敷いて横になることにした。お湯につけつづけていたため、指がおばあちゃんのようにふやけきっている。いつまでもお湯につけているわけにはいかない。冷房を効かせた部屋で、とにかく休みたかった。ちょっと横になっていると指が冷えるとともに尋常じゃない痛みがまたぶり返していてもたっていられず、洗面所に直行し45度のお湯にまたつけた。

 

 9時になると近所の外科病院が開くので、その前に妻に予約の番号札を採ってきてもらった。4番だった。9時になって病院に行くときも冷えると痛くなるため、カイロを指に巻いた。お湯ほどではないものの痛みは和らぐので助かりました。

 

 番号札は4番だったけど10時になってやっと呼ばれた。先生は「噛まれたんじゃなくて毒針が刺さったんでしょ」と患部を見ながら行った。あまりの痛みに噛まれたように思ったのだろうか。「棘が残っているんだな、開いて異物を出しましょう」と言って麻酔をうつその準備をしている間に、カイロ外しているせいで痛みがどんどん増して行って「先生また痛くなってきました」と訴えた。ベッドで横になって麻酔を打つ時「ちょっと痛いよ」と先生が言ったのだが、毒の痛さに比べると丸っきり比較にならない痛さだった。注射した途端、それまでの痛みが幻だったように消えた。その解放感は、過去に味わったことのないほどだった。

 

 「ちょっと血が吹き出るよ」「血で何も見えないな」傷をぐいぐい押しているような感覚があったけど怖いので見なかった。「あれ?異物ないな、でも中をきれいした方がいいから」と毒を綿で拭ってくれているのかなと思った。

 

 「ちょっと大げさに巻くよ」と言って包帯をグルグル巻きにしてくれた。麻酔は1時間で切れるそうで、その後の分の痛みどめをもらって帰宅した。

 

 1時間経って麻酔が切れると痛みどめを飲んでいても、少しジンジンしたので部屋で横になった。5時から9時まで洗面所で指をお湯につけていて、そんな生活からは解放された。親指を使えないというのはかなり不便なもので、ハサミが使えず、マウスの戻るボタンが押せない。ゴンズイは持って帰ってきており、包帯グルグルの指でなんとかハサミをつかって、背びれと胸びれの毒針を切って、母に煮つけてもらって食べた。味付けた濃かったので、どんな味かよく分かりませんでした。

 

 その日の夕方には痛みはかなり治まり、少しならパソコン作業ができるようになりました。とにかくゴンズイは恐ろしい毒魚です。この夏皆さん海に行った際は、くれぐれもゴンズイにだけは気を付けてください。オレはすっかり釣りも海も怖くなってしまいました。

 

[ゴンズイ対策のまとめ]

ゴンズイを釣ったらヒレに触れないように注意してリリースする

・毒があるのは背びれと胸びれの先頭の棘

・棘が刺さったら幹部を50度近いお湯につける

・できるだけ早く医者に行く

・噛まれても毒はない

・旅の宿草津の湯は効いているのかどうかよく分からない

・濃い味付けをするとどんな味かよく分からない

 

 

海人ゴンズイ (ジョージ秋山捨てがたき選集 第 1巻)

海人ゴンズイ (ジョージ秋山捨てがたき選集 第 1巻)

 

  

 

 

 

ゴンズイに噛まれた①

 この夏は夜釣りを自分のものにしようと計画を練っておりました。真夏でも日中のような炎天下を避けて釣りを楽しむことができ、昼間より断然大物が釣れるだとか言われています。これまでもシーバスやアジ、メバルを狙って何度か夜の漁港に出かけたことがあったんだけど、真っ暗闇に向かってルアーを投げてもどこに落ちたのかも分からず、自分が何をやっているのかすらわけがわからなくなることがあり、魚も一匹も釣ったことがなかったため、何一つ面白くなかったです。

 

 それには理由があって、準備がまるでなってなかった。ヘッドライトはあったんだけど、それだけでは全く不十分でケミライトという、サイリウムの超小型のをラインやルアー、竿の先端に貼りつけて目印にするとか、ランタンを用意するとかしないといけなかった。安く楽しめればそれに越したことがないし、余計なものを買って使わずに在庫を抱えるなんてことも嫌で、避けていたんだけどやっぱり準備は必要だった。

 

 そして水中集魚灯という製品を見つけて俄然夜釣りに興味が湧きました。水中に沈めて光で魚を集めるという仕組みで、まず小虫が集まって、それを餌としている小魚が集まり、更に小魚を食べる大物が寄ってくるという。30分もしないうちに水中集魚灯を沈めた足元には魚が群れに群れているというではないですか。オレの夜釣りに足りなかったのは水中集魚灯だったのか! 5000円で安売りしていたミニサイズの製品を買って海に行きました。最初に行ったのはとある埠頭で、時間が遅く水中集魚灯を沈めた途端朝日が昇って来て、失敗して次に漁港に行ったけど魚どころか、小虫すら寄って来なかったです。そして魚も釣れなかった。

 

 帰宅してネットで調べたら、ミニじゃなくてでかい方を買った方がいいとレビューがあって、2千円高いでかい方を買うべきだったと後悔しました。しかしこのままなんの成果もあげないまま使わずに放置するのはそれこそ無駄遣い以外の何物でもないではないですか。別の日に別の漁港に行きました。

 

 30分経っても特に魚が群れることもなく、非常に寂しい成果でした。隣にアジ釣りのおじさんがやってきて、真っ暗いなかオキアミのトリック仕掛けて豆アジよりは大きめのアジをひょいひょい釣っていた。そんな時、オレのジグヘッドに青イソメをくっつけた仕掛けに魚が掛かり、上げてみると髭のある奇妙な魚で目がオレンジに光っていました。隣のおじさんに聞いたらゴンズイだということでした。昔少年ジャンプにジョージ秋山先生が『海人ゴンズイ』という漫画を描いていて恐ろしい雰囲気の漫画だったことを思い出した。食べれそうなので持って帰ることにして、その後も釣りをしていると、そこそこのサイズのメバルみたいな根魚が釣れて、豆アジよりも大きめのアジも釣れた。魚が群れでやってきているわけではないので水中集魚灯の効果かどうかはっきりしないんだけど、これまでの空振りとは違った状況でした。

 

 魚をクーラーボックスに移そうとしたら、ゴンズイに右手親指をがぶっと噛まれた。骨に尖ったものがガリッと刺さるくらい強く噛まれた感じがして、すごく痛かった。釣をしていると針が刺さる事なんかしょっちゅうなので我慢していれば収まると思ったらどんどん痛みが増してきて尋常じゃない痛みになってきた。スマホで調べるとゴンズイには背びれと胸びれに毒があるとのことで、おかしいな噛まれたから歯にも毒があったのかなと考えていたけど、考えている時も痛くて痛くて、スマホの情報によると入浴剤の旅の宿・草津の湯という製品を混ぜたお湯につけると治るらしい、それじゃなくても50度のお湯につけると毒の成分であるたんぱく質の活性がなくなって痛みが治まるそうでした。

 

 これから朝マズメの絶好の釣り時という4時45分くらいに釣りを打ち切り、帰宅した。旅の宿草津の湯はないにしても50度のお湯につけないと痛くてどうしようもない。スマホの情報によると、「屈強な漁師が泣く」「蜂の10倍の痛み」「陣痛の痛み」「死ぬこともある」など恐ろしい説明が並んでいる。本当にそのくらい痛いのかもしれない。右手でしか操作できない車のウィンカーが辛くて辛くてどうしようもなかった。他の動作は全部左手でしました。マニュアル車はこんな時大変だ。痛みは指から手の甲に至り、肘から先全体がジンジンした。

 

 50度のお湯につけると30分くらいで痛みが消えるとの情報を頼りに給湯器の温度を最高の48度にして、洗面所でお湯を出しっぱなしにして右手をお湯につけたのが5時15分くらいで、しばらくやっていても全然痛いままだった。48度はあまりに熱く、耐えられず45度の下げた。頭を肩の高さより下にするとなんとなく痛みが和らぐような気がした。30分経っても痛かったので、寝ている妻を起こしてコンビニで旅の宿草津の湯を買って来てもらうことにした。この製品を使うと1~2分で痛みが消えるとのことだった。スマホを左手で操作して近所のコンビニにこの製品があるか問い合わせたけど全くおいてない。妻は24時間営業のスーパーに行ってくれるとのことだった。寝ていたところまったく申し訳なかったです。

 

(長くなったので続きます)

 

 

ハピソン(Hapyson) 乾電池式 LED 水中集魚灯ミニ YF-510

ハピソン(Hapyson) 乾電池式 LED 水中集魚灯ミニ YF-510

 

 

ハピソン(Hapyson) 乾電池式 LED水中集魚灯 YF-500

ハピソン(Hapyson) 乾電池式 LED水中集魚灯 YF-500

 

 

よるひる映研11上映会

 2010年の終わりに活動を開始した、よるのひるね映画研究会の11回目の上映会があります。前回10回の節目で何かしようかと思ったんだけど、その直近にポーラーサークル『未知なる漫画家オムニバス』があったりもして通常回のままでした。第4回でDVDブックを作ってその際ロフトプラスワンで、それまで傑作選で上映会をしました。その時は狂っていて季節ごとに開催していていくらなんでも忙しすぎた。それに夏は暑すぎるし、冬は寒すぎる、そしてそんな季節はあまり映像に反映されないことが分かりました。第5回以降は春秋の年2回開催となっております。

 

 そしてオレの私生活が忙しくなってしまいあまり東京に滞在できないので、今回は実験的に2日間、1作品の開催にしてみました。4月の桜の散り終わったくらいの季節に5分以内ショートムービーを一本ずつ撮影しました。これまではずっと3日間一人2作品で、上映会の事を考えるとその方が本数が増えてよかったです。試写会では物足りない印象がありました。過去作品や、今回製作した作品の関連作品などを一本ずつ上映しようと思います。

 

 一時期は17人くらいの参加者がいたんだけど、なかなかこんな趣味の集まりに継続して参加してくださる人も多くはなく、すっかり寂しくなってしまいました。ギャグ漫画家軍は前回ピョコタンが参加したっきりで、今回は0人、若手と女性も減りました。初回からの参加は枡野浩一さんとオレだけになってしまった。また次回の参加お待ちしております! 

 

古泉智浩

枡野浩一(詩人歌人と植田マコト)

奈良崎コロスケ

尾上龍太郎

きんたま画伯

ツムラケンゾー

後藤貴志

中田舞子

こいけさや(新)

清本一毅(新)

 

 皆さん、ご参加ありがとうございます! 

 

 試写会では清本さんの作品がアニメで、見たことない印象で度肝を抜かれました。すごくよかったです。毎回必ずドカンとインパクトを残す作品があるんだけど、今回は清本さんですね!他の人も上映会に向けて仕上げてきているかもしれないからまだ分からない部分はあります。

 

 多分面白い上映会になりますよ!ぜひいらしてくださいね!

5/11 mon 20:00open 古泉智浩主宰「よるひる映研11」上映会
ご予約お早目に! 予約1000+1drink500

阿佐ヶ谷・よるのひるね

yoruhiru.com

 

 オレ自信こうして無数の5分足らずのショートムービーを作って、一体何本撮ったのか今ちょっと数えてみたところ50には届かないけど47本くらい撮っていました。最初の10本はDVDを作って販売して、その後も10本ずつDVDにして行こうと思っていたんだけど、こうなってしまうと最早その目論見もかなりしんどい状況です。

 

 なぜこのように継続的に撮っていたのかというと技能の向上が一番の目的です。最初に自主映画でばばーんと華々しく賞を取りまくるつもりが、全くかすりもせず、それというのも映像作品は漫画と違ってとても丁寧に作らないといけない事を知らなかった。初心者の雑な作品はその時点で門前払いです。腰を据えてじっくり取り組まないといかんぞと、そうしていつの間にかキャリアは10年を超えておりました。そうこうしているうちに撮りたいものではなく、撮れるものを、悪く言えばそこそこ面白くできそうなのをやっつけで作ってしまうような、非常に本末転倒な状況に陥っていたこともあります。

 

 ですが、今年はいよいよ本当に撮りたい題材にめぐり会うことができ、シナリオも第一稿は書き終えております。取材が足りないし、尺も短いのでまだまだ書き足さなくてはなりません。なんのためにこれまで無数のショートムービーを作って来たかと言えばこのためだったと本当に思えるようなものを今年は作ります。シナリオが完成しなかったら来年になるかもしれませんけど、できれば70分か80分くらいの堂々とした尺で作りたいんですよね。

 

ネット漫画活動

 発売中のコミックビーム5月号で、地下芸人の漫画『悪魔を憐れむ唄』が最終回です。本当はもっとダラダラと長く続けたかったけど2年近く、22回の連載は最長記録でした。どうもありがとうございました!

 

○ぽこぽこ

 さて、『悪魔を憐れむ唄』ではここ数年出演させていただいている中野大喜利皇子という大喜利イベントでの経験や、そこで一緒に出ているお笑い芸人の皆さんをほぼ実名で描かせていただいておりました。特にピン芸人のとーごさんには、一緒に漫才を考えるのを手伝ってもらったりしております。そんな皆さんのネタを丸々漫画で再現するようなこともやってみたかったです。ここまでどっぷり漫画家がお笑い芸人さんと癒着して漫画を描いているケースも珍しいんじゃないかな。結局不人気で終わってしまったわけですが、お笑いブームが下火になっているこの状況で題材に採用するのが問題だったのかもしれない。

 

 しかしせっかくお笑いの表現に慣れたのに、これで終わりにしてしまうのももったいないじゃないですか、ブームの下火と表現としての面白さやドラマ性は比例するどころか反比例するくらいに考えております。状況が厳しければ厳しいほどドラマ性は活性化するもんじゃないでしょうか。オレの漫画が厳しい状況だって?うるせえよ! ほら、一人乗りツッコミまでできるようになりました。

 

 そういうわけで、『悪魔を憐れむ唄』で主人公だった長谷川と渡辺のマジボンバーという漫才コンビがゾンビになる連載『無名のお笑い芸人がある日ゾンビに噛まれた結果』が太田出版の漫画サイトぽこぽこで始まっております。

www.poco2.jp

 悪魔の次はゾンビ、お笑いホラーシリーズというわけではないですが、ゾンビの世界観は菱沼康介監督に映画にしてもらった『ライフ・イズ・デッド』を踏襲しております。噛みつきと性交渉で感染して、ゆっくりゾンビ化が進行する難病ものでもあります。全5回の予定です。

 

マンガonウェブ

 漫画家の佐藤秀峰さんが主催する、マンガonウェブという電子雑誌で『からっぽのホール』という漫画を掲載していただいております。この漫画は随分前にパニックセブンゴールドというパチンコ、パチスロ雑誌に第1話を掲載していただいたきり、宙ぶらりんになっていたシリーズです。今回掲載していただいたのは第2話で完全に未発表作です。掲載してもらえるつもりで作画したのに、どういう行き違いかボツになってしまった漫画でした。調べたら2009年の漫画です。

 

 単行本デビュー作『ジンバルロック』が高校生の漫画で、その続編に当たる予備校生の話で連作にするつもりだったんだけど、一話掲載、二話未掲載で、第3話はネームの準備がありました。予備校生なのに勉強もせずに宙ぶらりんでパチンコしたり海に行ったりグズグズしている話にしようと思ったら、連載自体がグズグズでこのように消化不良状態だったのですが、佐藤秀峰さんのお陰で陽の目を見ることができました! これを10本くらい描いたら、その次は大学生の漫画も描きたいんですよね。ちなみに中学生の漫画は加納隼監督に映画化していただいた『死んだ目をした少年』です。

 

 マンガonウェブ創刊号、佐藤秀峰さんの漫画家漫画、『Standbyme描クえもん』絵が凄い、やまもとありささんの女性器が人格を持って語り掛ける漫画『あいこのまーちゃん』、堀内夏子さんの美術サスペンス『EVIL ~光と影のタベストリー~』すごく面白い、頭からまだここまでしか読んでないんだけどどれもすごく面白いですよ! 

mangaonweb.com

 

○四コマ映画

 映画を四コマ漫画で紹介する、四コマ映画というネットサービスで毎月2回ずつ四コマ漫画を掲載していただいております。初回がニコラス・ケイジの『リービング・ラスベガス』で2回目が大林信彦監督の『転校生』です。

4koma-eiga.jp

 花くまゆうさくさんや大橋裕之さんも描いていて、とても面白いですよ!

 

 ネット漫画も非常にありがたいのですが、やっぱり長編連載を漫画雑誌でやらせていただきたいです!次こそそこそこヒットしてなんとかしたい。もう50手前なんですよ、46歳でもうあと10年描けるかといったら無理じゃないかな。もう終わってるって?うるせえ! まだまだもうあと4年くらいいいじゃないですか、チャンスがあると思っているので、釣りのゾンビ漫画とかヒットを狙って頑張ります。釣りのゾンビ漫画じゃなくて、もっとちゃんと売れそうなの考えておりますよ。

 

池袋マンガ教室第8期 生徒募集

 池袋で毎月2回ずつマンガ教室をしていて、半年ごとに一期終了となって、それがいよいよ第8期となりました。初期は生徒同士の性の乱れが盛んで実にけしからんと思っていたのですが、最近はすっかり落ち着いて毎回終わった後270円居酒屋での飲み会では盛んにネームの見せ合いっこをするという大変健全で前向きな理想的状況となっております。第7期も生徒さんの中からエッセイ漫画の単行本デビューする人がいましたよ。元々その人がご自身のブログで描いていた漫画が本になったので、オレは全く役に立っていない上に、ご自身がいい広めないで欲しいと言われているのでここで具体的に書名を出すわけにいかないのですが、霞を掴むような話しで済みません! でもとにかく7期も非常にホットスポットであったと思います。

 

 どんな教室なのかと言うと、さっき初回のレジメを作っていたのでそこから抜粋して説明します。

  

○マンガ教室の概要
・ネームを中心に課題をしていただき、発想やその表現を主に練習します。
・数をこなして漫画の表現になれていきましょう。
・課題と宿題の講評、役立ちそうな話、ディスカッション、宿題が主な内容です。
・ゲスト講師:前期後期最終回はゲスト講師をお呼びする予定です。

 

 以前は人数が多くて課題をその場でやっても講評しきれなかったのですが、最近は多くて10人前後なので、どんどん課題をやっていただくことにしました。より実践的になっております。毎回2本ずつその場で四コマのネームをしていただきます。漫画を描きたいと思っても四コマ漫画なんか興味ないと言う人もいると思いますが、そこはそれ、発想の練習や四コマでまとめる練習にはなると思うんですよね。たとえ四コマであろうとも、それを通してどう活かすのかはご本人次第です。実際、四コマじゃない課題は宿題でやっていただいております。

 

 せいぜい2時間半か3時間弱の教室で数ページの漫画をその場で描くと言うのは不可能ですからね。こうして欲しいと言うのはありますが、これをやってはダメというのはありません。どんどん活用していただきたいです。表現は自由ですし、豪胆さも時に必要な場合もあります。

 

 小池一夫先生の劇画村塾にオレも通おうと思ったんだけどその時は30万円くらい費用がかかって諦めたことがあります。今にして思えば、そのくらいドーンと払っておけばヒット作が描けていたかもしれない、今からでも遅くないから通った方がいいかな。マンガ教室を主宰している者がよその教室に通ってそこで習ったものをオレのマンガ教室で話す……道義上問題がありますね。小池一夫先生には全く及びませんが、マンガ教室に来てくださった人にはとことん元を取って欲しいと考えています。例えば今現在、佐藤秀峰さんのネーム大賞は作品募集をしてますし、いろいろな漫画賞があり、ぜひそんな賞金でマンガ教室で掛かった費用を帳消しにして欲しいです。

 

○1日目の内容
・(課題)四コマ漫画の続きを考えよう
・概要説明、自己紹介
・ネタ出しのディスカッションの説明
・アンケート
・ネタ出しのディスカッション
・(課題)ディスカッションで考えた漫画を描いてみよう

 

 初回はこのような内容です。「四コマ漫画の続きを考えよう」は2コマ目までオレが考えているので残りの二コマを考えていただきます。マンガ教室には鉛筆かシャープペンシルと消しゴム持参でお願いします。

 

 「ディスカッションで考えた漫画を描いてみよう」は四コマ全部ご自分で考えていただきます。15分か20分くらいでやっていただいているんですが、制限時間があると無理矢理でもコマを埋めるためけっこうできてしまいます。締切がないといつまでもやらないじゃないですか。3年くらいやっているうちに発見したのですが、今ではけっこう教室の肝の部分なのではないかと思います。

 

 以前は課題が全部宿題でしたが、こうして課題を毎回2本ずつやっていただくうちに、漫画に対する敷居が低くなってきている印象があります。数をこなして表現に慣れていくのではないでしょうか。

 

 漫画なんか誰でも描けるというのがオレの考えです。世の中には圧倒的な才能が確かに存在するとは思います。でも、そうじゃなくても漫画は描ける。描いた漫画が大したものではなくても、やっているうちに良くしていくことはできます。そして何より創作は楽しいですよ!

 

・池袋マンガ教室は池袋コミュニティカレッジで毎月第2・4日曜日15:30より開催しております。第8期の初回は4月12日です。

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